「グローバル化」「グローバル人材」という言葉が、多くの大学で言われるようになりました。ひと昔前まで海外に目を向けるのは「外国語が得意な人」「国際的な仕事をしたい人」という「意識高い系」だったかもしれません。
しかし現在・そしてこれからは「日本国内で安定した仕事に就き、地道に生活していきたい人」にもグローバル化の影響が及んできます。少子高齢化が著しい日本国内だけでビジネスが完結する時代ではありません。この流れは地方公務員も同様で、自治体ではTOEICスコア700以上の人材が最低3割必要になるだろうと言われています。
ただし本質的に重要なのは「変化に対応し問題を解決するためのツールと能力」。これこそが、AIに代替えされない「人間の特性」です。ツールが英語等の言語であり、能力は主にコミュニケーション能力です。留学経験のある学生が就活に強いと言われるのは、他者を理解する力や伝える力、交渉力などが身に付くからです。
大学生協で最も多く取り扱う「英語を学ぶ」語学留学。申込むのは、もともと英語が好きでその分野の学部生が多いと思いがちですが、留学から帰って来た学生が驚きを持って報告してくれるのは、語学系ではない学部生や理系の学生がたくさんいるということです。
大学で英語を専門に取っていないから勉強しに来たという、言われてみれば当然の理由です。自分の専攻している学問を活かすに当たって、英語の重要性に気付く人が増えているのです。現在、日本の大学でも、理系の大学院の修士論文は英語で書くのがあたりまえになっています。
語学学校では、中学生レベルからビジネス英語レベルまで数段階のクラスに分けられるので心配はいりません。南米や中東の学生がめちゃくちゃな文法でしゃべりまくるのを見れば、英語を口から出してみる勇気が出ます。
また、既にある程度の英語力がある人は「英語を学ぶ」だけでなく「英語で学ぶ」授業を選択肢に入れることができます。
帰国後は多くの人が「もっと話せていたら、もっと楽しめたのに」と実感しています。
本来であれば実際に日本を飛び出し、日本語が通じない環境に身を置くことで得られる多くの経験をして欲しいと願っています。しかし渡航を諦めざるを得ない現実が、新しい学びの形を生み出しました。インターネットを通じて授業を受ける「オンライン留学」です。当初は「オンラインなのに留学と呼べるのか」という懸念も聞かれましたが、英会話スクールとは違った充実したプログラムが構築され、大学によってはオンライン留学も単位認定されるケースが出てきています。
海外の学校で行われている本格的な授業を、各国からの参加者とクラスメイトになり、オンラインで授業を受ける留学のカタチです。
ネイティブの先生と数名の生徒をオンラインでつなぎ、パソコンの画面で先生とクラスメイトお互いの顔を見ながら進められます。授業の前後にはクラスメイトと交流する時間が取れる場合もあり、従来の留学と同じように世界中に友達ができるチャンスとなります。
そして時差を利用して自分の都合の良い時間帯に勉強できるのも魅力。通常通り昼間のレッスンならオセアニア、夕方からならイギリス、真夜中しか時間が取れなければアメリカやカナダの学校を選ぶことになります。
現地の大学に決められた日程の数週間コースもありますが、1日何時間授業を受けるか、それを何週間にするか(1日1時間×5日×1週間など)さまざまな特徴や料金の中から自分に合ったスタイルを見つけられます。
また、一般的な語学学習ではなく、異文化に触れて海外の学生と一緒に課題に取り組む「自主性重視の視察旅行」のようなスタディツアーと呼ばれる数日間の企画もあります。
実際に海外に渡航し心細い思いを乗り越えて数週間生活する従来の留学と、同じ経験値とは言えないかもしれませんが、オンラインならではのメリットもあります。
一番の違いは費用を抑えられること。例えば夏休みや春休みに、1日2コマ×5日×4週間の授業を受けた場合の参考金額は
オンライン 約55,000円(語学学校LSI 2020年9月のレートによる)
リアル留学 約490,000円(LSIバンクーバーへ2019年8月出発)
となります。
また、コロナ禍で私達の生活もオンライン化が急加速したのはご存じの通り。オンラインミーティングや会議、商談が当たり前になりつつあります。海外とのやり取りだけでなく、2020年は就活もオンライン主軸になりました。この傾向は元には戻らないだろうと言われています。オンラインならではの映り方などテクニックも必要になり、慣れておく事が有利になります。海外の人達と表情豊かにコミュニケーションを取った経験は、オンライン面接等でも自信になるでしょう。
これからの社会で必要とされる人材=グローバルな人材とは、外国語が堪能で、何度も海外に行った事がある人を指すのではありません。
広い視野に立って、異なる慣習・文化・価値観を尊重しながら、問題を解決したり関係を構築できる人。このような人はAIに仕事を奪われることはないでしょう。
その為には日本人としてのアイデンティティを持っていなければなりませんし、語学ができるに超したことはありません。これらを身に付けるには留学などの異文化体験が良い機会となります。
「留学しようと思っていたけどコロナ禍で行けなかったのでガクチカ(学生時代に力を入れた事)は特にありません」という言い訳をして貴重な大学生活を終えますか?
それとも「実際の留学はできなかったけれど海外の文化に触れて、日本の素晴らしい点に気付きました」「オンライン留学をやってみて、英語力の差は情報量の差に繋がると実感し、その後勉強してTOEICを400点台から600点台まで伸ばしました」など置かれた環境の中でできることを見つけますか? 同じコロナ禍の大学生活を送った就活生の中から選ばれるのは、どちらだと思いますか?
今の就職活動は親世代と大きく違い、応募するだけでも企業研究や自己分析が必要なエントリーシートを書くのに苦労します。民間企業だけでなく、人物重視となってきている公務員の面接試験でも「語れるエピソード」は強みになります。
留学に興味を持ったらまず情報収集。大学生協では長年、信頼の置ける方法で海外手配をしています。生協で取扱いをしているのを知らず、インターネット等を見て相談し、申し込むまでしつこくされたり、あとでキャンセルできるからと一旦申込みしたら、高額なキャンセル料を請求されたりという相談を受けることもあります。
また、手数料無料をうたっているエージェントは、留学先の学校からの紹介手数料で運営しているため、留学する人の希望よりも手数料を多く支払ってくれる学校を優先して紹介しているかもしれません。正規の大学は紹介手数料など発生しないことが多いですから、紹介してもらえないことになります。
生協のスタッフは留学専門のカウンセラーのようにいつも現地を訪問しているわけではありませんが、こちらの大学の事情に合わせたアドバイスを心掛けています。
費用の見積りもできますので、授業の合間に気軽に相談してください。
リアルな留学はテロなどの治安が心配で、なかなかご両親に承諾してもらえないケースもありますが、安全面でも費用面でもハードルが低いオンライン留学。このような学びのカタチがある「今」をチャンスととらえて検討してみてほしいと思います。
大学1年の最初の夏休みの留学体験がその後の大学生活にプラスの影響を与えるということが、様々な研究で明らかになっています。コロナ禍で実際に渡航出来ない中でも、それに近い体験を実現するプログラムです。